the crash dive

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多摩川ポタリング

 先日、思い立って多摩川に行ってみた。これをポタリングというのかサイクリングというのか定かでないが、多摩川のサイクリングロードまでチャリで行って帰ってくるという試み。当然輪行袋などという気の効いたものも無いのでひたすら目黒通りを下る。しかし車道を走っていると東京の車は鬼のような振る舞いですよ。覚悟して出かけたものの1時間半程度であっさり到着。整備のいい川崎側のサイクリングロードをぶらぶらと。やはりというかなんというか本気っぽい人達もちらほらと見受けられた。途中コンビニで水を買い、川岸で一服。トランギアで棒ラーメンを茹で、ソーセージを炙る。コーヒーを飲みながら横になると視界には冬の淡い空だけが広がる。以前多摩川沿いに住んでいた頃、飲み明かした翌朝にあまりにも壮麗な朝日に感涙したことなど思い出した。
 帰りは車道が恐ろしいので一号の歩道をひたすら戻る。狭いよ、歩道。自宅に帰る頃には股が痛くなった。股が。

突風の塩原

 仕事が久々に一段楽したので、年越しキャンプの下見がてら塩原に二泊のキャンプ。今回は、場内に温泉があるということで探したが、当然のようにどこも高い。ようやく見つけた塩原グリーンヴィレッジは安くて温泉入り放題+貸切ということで決定したが、駐車場のような砂利の区画サイトなのが気がかり。まあとりあえず今回は、新たに導入した装備のテストも兼ねてささっと行ってみた。
(写真は全て *istDs / FA35mmF2AL )
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雨の伊豆ホタル

 先日ふと思い立ち、半年振りにキャンプを決行した。天気予報をチェックして、晴れの地方にある伊豆方面のキャンプ場を目指す。ちょくちょく小銭を掠め取られながら、ひたすら海岸線をひた走り、伊東の道の駅で一服してから山道へ。とんでもない田舎であります。細い道を辿り、どうにかキャンプ場に着くと、ちょっと庵野秀明を思わせる、世捨て人めいた管理人がひとり。

 天気予報は見事に当たり、日差しを避け林間サイトにテントを張る。タープは考えた末とりあえず張るが、正解だった。半年前まであれほど練習したはずなのに、空気が湿っているせいかなかなか炭がおこせない。悪戦苦闘し、ようやくダッジオーブンで焼いたローストチキンにありついた。酒が足りないので町まで買出しに行く帰りに温泉へ。なにやら鼻の長い虫がいて落ち着かない。

 帰ってくると管理人と飛び込みのバイクの男が陽気に出迎える。ホタルの時間なのだ。急かされて合流し、懐中電灯を消してみれば、そこここにホタルが飛ぶ。数匹づつ宙に線を描くように優雅に、そして不思議にその虫達は青白い光を見せてくれた。幼い頃川崎の土手で見たのが最後だったろうか。夢中でシャッターを押したが、月明かりとホタルの光はISO400のフィルムになんら化学反応を起こさなかった。気がつくと、山の向こうに別の光が目立つようになった。稲妻だ。小雨が振り出すが、管理人は一時間もすれば止むという。だがその予想は外れることになるのだが…。

 平日なのでせっかくの貸切状態なのだけれど、消灯後にガスランタンも気まずいので、オイルランプの光だけで小雨の音を聞きながら、時々飛び交うホタルの青白い線を眺め、酒を飲む。日ごろのせわしない日常がまったく信じられなくなるくらいの時間の流れ方。しかも酒が回ったら寝るだけだ。雨脚が強まり、多少の不安を感じながらも眠りに落ちた。

 6時ごろ起きると、雨は上がっていた。アルコールバーナーでコーヒーを淹れ、朝食を作っている間に突然足元が泥に化すほどの雨が強く降り始めた。タープに容赦なく叩き付ける雨で何も聞こえない。梅雨時の山に来たのだから気象予報士を呪っても仕方が無い。それよりもせっかく買ったストームクルーザーを置いて来た自分が情けない。

さすがに危険を感じ、タープのペグがやたらに気になる。雨脚が弱まったところを見極めてさっさと撤収。山蟹が現れる。悪戦苦闘の末なんとか昼前に撤収作業が完了し、管理人に挨拶して帰路につく。管理人は相変わらずどこか遠くを見て頷いていた。

 長い家路に着く前に、ガソリンを入れようと立ち寄ったスタンドには人影が無い。古いダットサンが一台と、竹の子が並べられた事務所。突然何かが動いた。男はもぞもぞと事務所から現れ、満面の笑みでガソリンを入れ値段を告げる。代金を渡すと、なんと、車のドアを開け助手席の金庫から釣をよこす。呆気にとられて領収書をもらうことなどままならなかった。

 帰りすがら、古民家を利用した峠の茶屋で蕎麦を食う。古い建物に入ると何故か背筋が伸びる思いがする。今年初めての西瓜は甘く、瑞々しい。茅葺の屋根から滴る雨さえ演出に思えた。
 伊豆スカイラインに入り、豪雨と雷と深い霧の中、一台の高級車が前を行く。
その車は時々道を確認するようにスピードを落とすが、常にハイスピードで霧の中に消えてしまう。こちらも負けじとギアを落とすが、危険を感じるスピードですら、結局登りで追いつくことは無かった。これがモビルスーツの性能の差か?つーかオヤジ飛ばしすぎだよ。空中を走るような雲中の箱根ターンパイクの道路脇には紫陽花が咲き誇る。久しぶりに高速をかっ飛ばすと、何事も無かったように環八の渋滞に出迎えられた。